ルアーフィッシングでよく使われるライン

ラインには、ナイロンラインやフロロライン、PEラインがありますが、ルアーフィッシングを始める時、釣具屋で店員さんにライン選びを相談すると、扱いやすくライントラブルが少ないという理由で、ナイロンラインを進められました。

なのでナイロンラインから始めたのですが、慣れてくるとみんなが使っているPEラインを使ってみたくなるものです。
みんなが使っているということは、使うだけの理由があるはずです。

その理由ですが、どうやら飛距離が伸び、ルアーの操作性がよくなるといったメリットがPEラインにはあるから。
ただ、ライントラブルが起こりやすかったり、擦れに弱いといったデメリットもあったりします。

ライントラブルがあると釣りにならない、だから最初はナイロンラインを薦めてきたんですね。
要するに、その人にあった釣り方に沿ったラインを選ぶのが大切!
ということで、これらのラインの違いについてみてみましょう。










各ラインの特徴

簡単にですが、ナイロンライン、フロロライン、PEラインの特徴をまとめた表となります。

ナイロンライン フロロライン PEライン
メリット
  • クッション性が高い
  • 柔らかいので扱いやすくトラブルが少ない
  • 耐磨耗性が高い
  • 比重が重いのでルアーが浮き上がりにくい
  • 屈折率の関係で魚から見えにくい
  • 圧倒的に強度が高い
  • 伸びないため高感度がとても高い
  • ルアーを操作しやすい
デメリット
  • 伸びるため感度が低い
  • 同じ理由で、ルアーの操作性が低い
  • 素材が硬いため、太くなると扱いづらい
  • 耐摩耗性が低いためリーダーを組む必要がある
  • 比重が軽いので軽いルアーは浮き上がりやすい
比重 やや浮く 沈む 浮く
伸率 伸びる(約25~35%) 少し伸びる(約23~30%) ほぼ伸びない(5%未満)
強度 普通 強い 非常に強い
結束強度 約90% 約85% 約50~90%
(結び方による)
値段 安い やや高い 高い
使いどころ
  • 初心者におすすめ!
  • 細かい操作が不要な釣りに!
  • 軽いルアーを使う時!
  • 飛距離を出したい時!
  • ルアーを細かく動かしたい時!

この様に、各ラインの特徴によってメリットとデメリットがでてきます。

釣りの種類によって求められる特徴は変わってきますが、強い力で引っ張られても切れない強度(直線強度・ひっぱり強度)や、小さなアタリでも感じ取れる感度、ストラクチャに擦れた際の切れにくさに関係する耐摩耗性などは多くの場合に求められる要件だと思います。

すべてを兼ね備えたラインがあれば問題無いのですが、完璧なラインは現実には無いため、どの要件を重視するかによって使用するラインを選択する必要が出てくることになります。

とはいえ、最初はナイロンラインがトラブルも少なく、安価で使い易いと思います。
慣れてきたら、PEラインにリーダーとしてフロロラインを使ってみるという流れが自然な流れかなと思います。
私もそうでしたので!

以下、簡単にではありますがライン選びで考慮する要件について書いていますので、興味のある方は読んでみてください!





大事なラインの強度、それで決まるラインの太さ

まず、狙う魚に応じて、ラインの強度(直線強度・ひっぱり強度)が大体決まってきます。
魚の引きの強さに耐えられずラインが切れてしまっては話にならないからですね。

例えば、メバルとシーバスの場合、よくおすすめされるPEラインの号数は以下となります。

  • メバル:PE0.4号(8lb、3.6kg)
  • シーバス:PE1.0号(20lb、9.0kg)

括弧内はラインの強度を示しています。
lbはラインの強度で使われる単位で、”ポンドテスト”と言うそうです。
私は単に”エルビー”と読んでたりするんですが、少数派ですかね?

ちなみに、lbとkgの関係は、

1lb = 約0.454kg

となります。
1lbの場合、約0.454kgの力で引っ張ると切れるという意味になります。
ただし、日本の表記の多くの場合、表記された強度に達すると必ず切れるという意味になるみたいで、大体表記の7割くらいを目安に強度は計算するようです。

ということで、仮にナイロンラインで同じ強度にすると、

  • メバル(8lb)= PE0.4号 = ナイロン2号
  • シーバス(20lb)= PE1.0号 = ナイロン5号

となり、ラインの号数だと約4~5倍となります。
フロロラインの場合もナイロンとほぼ同じになります。

ラインの号数が4倍だから太さも4倍・・・、とはなりませんが、号数が大きくなると太さは太くなっていきます。
詳しくは以下に記載していきますが、細いということは多くのメリットがあります。

号数と強度の関係について興味のある方は、こちらからご確認できます。

ラインの種類と飛距離の関係

PEラインがよく使われる理由のひとつに、このように号数の小さい、細いラインで強い強度を実現できることが挙げられます。
そのため、一番飛距離がでるのは、圧倒的にPEラインとなります。

ラインが細いことのメリットは、キャストでラインが受ける空気抵抗が小さくなること。
その結果、PEラインは他のラインよりも飛距離が伸びることとなります。

また同じ太さの場合も、PEラインが一番飛距離がでます。
それは、PEラインが一番比重が軽いためです。
よって、一般的には比重の軽い順、(軽)PEライン>ナイロンライン>フロロライン(重)の順に飛距離が長くなります。

操作性と感度、伸率が低いほど高い

操作性とはルアーの操作のしやすさのこと、感度とは魚のアタリや着水の様子の伝わりやすさのことを指します。

この2つにはラインの伸率が大きく関わってきます。
伸率が高いと振動を吸収してしまうため、伸率が低いほどロッドとルアー間の振動の伝達は強く・速くなります。

よって、ルアーが操作しやすく、小さなアタリも分かりやすいのは、ほとんど伸びないPEラインということになります。
また、PEラインだとラインも細くなるので、水の抵抗が小さく水切れが良くなり、潮の流れに影響を受けにくくもんり、余計に操作性・感度が高くなります。

では、伸びないラインが良いのかというと、一概には言えません。
伸びないので遊びがなく、アタリを弾いたり、魚をバラシやすくなったりもしてしまいます。
なので、伸率が高い、クッション性があるナイロンラインは、アタリを弾きにくく、魚もばらし難くくなります。





疎かにできない耐摩耗性

ここまで読むと、PEラインに死角が無いように思えますが、完璧なラインが無いようにPEラインにも弱点があります。
それが耐摩耗性です。

ラインはヒットした魚であったり、岩やテトラといったストラクチャなどに擦れることがあります。
耐摩耗性とは、これらの擦れに対して、どれだけ耐えれるかということです。

PEラインは複数の糸が編まれてできており、編まれた糸の1本1本は細いために擦れで簡単に切れてしまいます。
するとその部分の強度が下がるため、そこからラインは切れやすくなってしまいます。

逆に、ナイロンラインやフロロラインは1本の単糸なので、その構造だけでPEラインより擦れに強いといえます。
また素材の特性で、フロロラインは表面が硬くキズつきにくいため、耐摩耗性が高くなります。
ただ、硬いことで、特にラインが太くなると扱いづらいというデメリットが出てしまいます。

なので、道糸はPEラインを使用し、ルアーとの間にフロロラインをリーダーとする使われかたが多くなります。

タックル サンプル

PEラインの弱点である耐摩耗性の弱さをフロロラインが補う、両者の良い所をうまく組み合わせた使い方ですよね。

ある釣り人Sある釣り人S

カラーラインを使用すると釣果が落ちる?
視認性を高めるために着色されたラインは重宝しますが、魚からも見えてしまうのでクリアなフィールドでは警戒される場合も!
そういった時は、クリアなラインをリーダーに用いてみよう。

ラインの比重とルアーの扱いやすさ

各ラインの比重の違いで、PEラインは水に浮き、フロロラインやナイロンラインは水に沈みます。
比重は、(軽)PEライン<ナイロンライン<フロロライン(重)なので、フロロラインが一番沈みやすいことになります。

以下は、ルアーを沈めた際のラインの軌道のイメージです。

ラインの特徴 比重 水中イメージ

水に沈むフロロラインが一番ラインスラック(糸フケ・糸のたるみ)が少ないため、ルアーを動かし易いといえます。

逆に水に浮くPEラインはラインスラックが大きくなるため、扱いづらいかというと、実はそうでもありません。
PEラインは強度が強いため細いラインを使用でき、それだけ水の抵抗が少なく水切れがよくなります。
さらに伸率が低く感度が良いため、トータルでみるとルアーの操作性は高くなります。

ただ、軽いルアーの場合、PEライン自体が浮くために沈みにくくなるので、素早く沈めたい場合はフロロラインやナイロンラインを選択するなど、状況に合わせて選択することが釣果アップに繋がります。

タックルのバランス

ロッドにはPE○~○号など、適正なラインの種類に号数が表示されていると思います。
なので、そもそもこのような表記があればそれらのラインを前提にロッドは設計されているのでそこまで神経質になる必要も無いのかもしれませんが、参考までに。

ラインは伸率の違いで、伸びやすいライン、伸びにくいラインがあるように、ロッドにも硬さの違いがあり、硬いもの、柔らかいものがあります。

硬いロッドに伸びにくいラインを組み合わせると、ルアーの様子だダイレクトに手元までくるので非常に感度がよくなります。
反面、ロッドもラインもタメが作れないため、魚のアタリを弾いてしまったり、フックした魚の急な動きに対応できずバラす原因になったりします。

逆に、柔らかいロッドに伸びやすいラインを組み合わせると、フックした魚の急な動きには対応できるかもしれませんが、タメがありすぎて扱いにくくなります。
感度も悪くなるのでルアーを操作しにくくなり、魚を掛けにくくもなってしまいます。

なので、硬いロッドには伸びのあるライン、柔らかいロッドには伸びの少ないラインの組み合わせがバランスがよいとされています。

アタリはるんだけどフックしない、フックするけどバラシてしまうと言った場合は、ロッドとラインのバランスを見直してみるとよいかもしれません。

ある釣り人Sある釣り人S

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
あなたが幸運な釣りライフを送れますように!
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